Bリーグ2020-21シーズン プレシーズンマッチ 宇都宮ブレックスvs群馬クレインサンダーズ 2020年9月5日

Bリーグ2020-21シーズン プレシーズンマッチ 宇都宮ブレックスvs群馬クレインサンダーズ 2020年9月5日

88-47と宇都宮ブレックスが大勝したゲームとなった。

プレシーズンマッチなので、様々な側面で「試すこと」が重要な試合になる。
この仕上がり状態のまま開幕まで行くことは想定できないが、今回は、3つのポイントに絞ってお伝えしたい。

ポイント①宇都宮ブレックス唯一の新加入スコット

LJ・ピークはまだ合流しておらず、この日、唯一の新加入選手となったジョシュ・スコット。

そのスコットはスタートで出場。

日本でプレーするのは慣れているスコットではあるが、新加入の彼が宇都宮でどれだけチームの中で力を発揮するかは注目の的だ。

Bリーグ開幕以後、ブレックスのゴール下で仕事をし続けてきたジェフ・ギブスのプレータイムは、スコットの加入により今シーズン大きく減るかもしれない。

その分、ベンチにギブスが控えていることが対戦相手にとっては脅威であり、スタート出場するスコットにとっては思いきりプレーできるはずだ。

実際に宇都宮での初試合となったスコットはどうだったのか。

「自分でやってしまった方が早い」とばかりにゴリゴリのポストプレーで攻める場面も目立ったが、合流して間も無くということを考えれば、これだけ宇都宮のバスケを理解できている彼のバスケIQの高さには驚かされる。

ガード陣とのコンビネーションも問題はなく、比較的プレースタイルが近いと言えるロシターとの共存も全く問題ない。

彼がゴール下にいることによって、ロシターがより広範囲でオフェンスに転じている利を何度も見ることができた。

ポイント②宇都宮を進化させるテーブス海

エクストラパスで配信しているYouTubeチャンネル「Basketball Diner」の中で宮本將廣が

「宇都宮のテーブスになるか?宇都宮を進化させるテーブスになるか?」というポイントを話していた。

その答えは、すぐに出た。

「宇都宮をアップデートさせるテーブス」としての片鱗を1Q早々に見せる。

ファーストタッチでのショットは楽々と沈め、その後もアグレッシブにディフェンスする姿を見せたかと思えば、積極的に得点も狙いに行く。

前半のプレータイムは、チームで2番目に少ない8分33秒だったが、ショットアテンプトは7本のスコットに続き、6本とチーム2位だった。

試合を通じて、彼でなければ出せないであろう決定的なアシストも何本も決めた。

数字以上に彼の積極的な姿は印象的で、昨シーズン途中加入で注目されながらも「100%宇都宮にハマった」とは言い切れないイメージを払拭するには充分な活躍だった。

試合後、インタビューで「ファンの前でプレーするのはめっちゃ楽しかったです」と子供のような笑顔で語ったブレックス唯一の若手は、今シーズンのブレックスを進化させる重要な選手になることは間違い無いだろう。

ポイント③ここから生まれ変わる群馬

B1昇格を目指す群馬は、補強した選手全員がB1チームからの移籍となった。

今シーズンにかける意気込みが見える補強となったが、まだまだチームとして噛み合っているという印象は見れなかった。

オフェンスではよくボールが周り、よい展開が作れている場面もあったが、最終的には宇都宮のディフェンスの前にタフショットを打たされることが多かった。

ディフェンスではローテーションミスも見られて、改善が必要であることは明確だった。

コート上の5人全員が新加入という場面も見られた。

7月のチーム始動から2ヶ月の練習期間があるとはいえ、ある種の急造チーム群馬は、主力の大部分を残した宇都宮に終始苦しめられる結果となった。

試合後の記者会見で、群馬の平岡HCは「準備していきたことが何もできなかった」と語った。

もちろんここから噛み合ってくれば、ポテンシャルのあるチームであることは間違いない。

ここにトレイ・ジョーンズとジャスティン・キーナンが加わると思うとB2のチームとは思えないほど恐ろしい。

個人的には、新加入ではないが、日本人ビッグマン野口夏来をもう少し見たかった。

開始早々、横の動きでロシターを交わし連続で得点をしたが、ディフェンスとリバウンドの面で難しさがあったかプレータイムは伸びなかった。

後半は、ピックプレーのスクリーナーとしても、いい動きを見せていた。
終盤、スコットとのマッチアップで何度もやられていたが、今後のためには良い経験になっただろう。

今オフの移籍により、B2のインサイド(主に外国籍選手)は確実にレベルアップしている。

そんな中、群馬はマイケル・パーカー、ブライアン・クウェリ、キーナンを休ませるために野口の活躍が、長いシーズンを戦う上で鍵になるだろう。

特にマイケルパーカーという、お手本にするには最適な選手が近くにいる今シーズンは、野口にとって飛躍のシーズンにしたい。

シーズン開幕に向けてファンの新しい観戦様式

最後に。

バスケを愛するブースターとして、触れておきたいが応援のことだ。

この日の会場は、足利市民体育館。

本来のキャパシティとしては2,000名ほどらしいが、もちろん座席を間引いてファンを入れている。

2階席に関しては、横隣と2席あけての感染症対策で、実質500名弱の観客動員とのことだった。

多くのファンがチケットを求めたようだが「発売開始2分で売り切れてしまった」とブレックスファンは言っていた。

観客の少なさはもちろん気になるが、

アリーナMCもいる。

チアリーダーもいる。

会場BGMもかかる。

一見すると、昨シーズンまでの試合会場と何も変わらない。

唯一異なるのは、ファンが声を出してはいけないことだ。

良いプレーがあっても、ファンは拍手を送るしかない。

もちろんフリースローのブーイングも声を出せない。

ブレックスファンによるあの統率された素晴らしい応援はない。

試合開始直後は、「レッツゴートチギ!」も「ディーフェンス!」もない手拍子だけの応援に違和感を感じたファンもいたようだが、次第と慣れてきているようにも見えた。

声を出したいけど、出せないもどかしさがあると言うファンもいた。

しかし、人間の本能で、思わず声が出てしまうシーンというのはあるものだ。

この日は、2Q終盤の遠藤がショットファールを受けながらも3Pが決めた場面で「おぉ!」という多くの声が会場に響いた。

しかし、昨シーズンまでのブレックスアリーナの「アリーナから音が出ているような圧」はもちろんない。

もしかしたら、今シーズンは声を出さないことで、バスケットボール自体の楽しさにより注目できる機会になるかもしれない。

「新しい生活様式」という言葉もよく聞くが、「新しい観戦様式」の中、5年目のBリーグが始まる。

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