「雪国にようこそ!」
彼はそう満遍な笑みで語りかけた。
「いや、元々雪国出身だし!」
と僕も笑いながら、言葉を返した。
まさか本当にここまで来れる日がくるとは思わなかった。
嬉しさが込み上げながらも、ちょっと涙も滲んでしまいそうになるのは、きっと、自分が思ってるよりも、歳を重ねてきてしまったのだろう。
なんて、自分に言い訳のように言い聞かせた。
何気なく交わした約束
よく聞く曲がある
コブクロの風見鶏
大サビに入る前のワンフレーズ
「優しさ見失ってまで強くなって、何を守れるのだろう」
そこが1番自分に響いていたが、いつしかそれも変わっていた。
曲の入り部分
「何気なく交わした約束が心の道を照らすよ」
自身の人生を振り返れば、信念なんてほどの大それたものはなく、軽い感じでいってしまえば、ノリでここまでやってきた
彼ともそんな約束をした。
「ダブドリに取り上げてもらえるように頑張ります!」
「うん、頑張ろう!応援してるからね!」
そんな軽い感じの約束が、こうやっていつかの未来でしっかりと形になることが嬉しくてたまらないのも、きっと歳をとったからなのだろうと自分に言い聞かせたりする。
秋田を背負うということ
僕にとってはじめての秋田だった。
秋田のことを偉そうに書いておきながら、僕は秋田をよく知らない。
SNSで彼への期待の大きさは感じるとか、秋田はバスケが熱いとか、よく聞く言葉を並べていたが、秋田にきて、それが本当に熱いもので想像以上のものだと知った。
時代はオンライン
行き来をするのも神経を使う。
僕も体調管理など、自分に余計なストレスをかけないように最善の注意を払って、この日まで生活をしていた。
それでも、批判はされるかもしれない。
もしかしたら、それ以外にも自分の発信で、彼にマイナスの影響を与えるかもしれない…と考えると、怖いとかそんな話ではないといつもよく考える。
ビビりな自分はそんな自問自答を繰り返す。
色んな想いを持ちながら、この1ヶ月ほど準備をしてきた。
今シーズン、昨シーズン、一昨シーズンの試合を見返した。
実家の母がBリーグの放送のほぼ全てを録画をしてくれている。
もう感謝しかない。
プレーの躍動感の変化
表情の違い
声をかける姿、かけられる姿
この時はどんな心情だったんだろうか…
なんてことを想像しながら、試合を振り返ったが、そんな想像もあくまで僕の偏った想像でしかない。
秋田を巡って、秋田で彼がどれだけ愛されて、多くの期待を背負っているのかを知った。
現地に来ないとわからなかったことだろう。
秋田にとってバスケは特別だった。
そして秋田で見た彼は今までにないくらいキラキラしていた。
それは能代工業の4番を背負っていたからなのか…
もう、その名前を背負う選手が出てこないということもあるからなのか…
どことなく、僕が彼に釘付けになったあの冬のセンターコートのような輝きに似たような…
いや、それ以上だと思う。
彼はこれから秋田を背負っていく選手ではなかった。
もう彼はその小さな背中に「秋田を背負っている」のだと、その時に気づいた。
長谷川暢
最近、色んなことを考える。
もやっとすることが山ほどある。
それもきっと歳をとったのだろうと言い訳をする。
けれど、そんな気持ちを吹き飛ばすような瞬間がある。
秋田に来てよかった。
彼がたどったその道を辿ると、なぜ僕が彼に心を奪われたのか…
その答えがちゃんと落ちていた。
彼の名は、長谷川暢
秋田を愛し、秋田に育てられ、秋田を想うプロバスケットボール選手
近いうちに
バスケで「より道」しませんか?
的な書籍で彼の言葉が読めるかもしれません。笑
まずはぜひ、1月22日発売のvol.10によりみちしてみてください。
なにより、この機会をいただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです。
そして、僕はこれからも
がんばれ、はせのぼ!
そう、彼を応援し続ける。