レバンガ北海道は、11月11日にアウェーで横浜ビー・コルセアーズと対戦。
5連敗で迎えた北海道は同地区の最下位に沈む横浜から勝利を掴みたい一戦だったが、オーバータイムにもつれ込んだものの94-90で敗れた。
レバンガ北海道 前半と後半で全く異なるチーム
北海道は1クォーターからエースのニック・メイヨが着実に得点を積み重ねリードを奪った。
簡単に得点させないディフェンスで前半を28得点に抑える一方で、2クォーターでは中野司が9得点と確率よく加点していき、28-45という17点リードで後半を迎える。
転機になったのは3クォーター。
横浜の外国籍選手に面白いようにインサイドを制圧されてしまう。
このクォーターだけで6本のオフェンスリバウンドを横浜に献上し、ロバート・カーターとレジナルド・ベクトン合わせて18得点。オフェンスも停滞し、このクォーターを28-15で終え17点あったリードはわずか4点になってしまった。
宮永雄太ヘッドコーチはこう振り返る。
「後半、相手のインサイドに対しての私の具体的な指示が遅かったのが(横浜の)両ビッグマンに点を取られた要因でした。」
インサイドのディフェンスとリバウンドに綻びが出たのは誰の目にも明らかだったが、オフェンスもジョーダン・テイラー頼みの一辺倒なものになり、リズムに乗れない印象があった。
一人気を吐いたジャワッド・ウィリアムズ
4クォーターも北海道は混乱の中で過ごすこととなる。
4クォーター開始22秒で横浜に2点差まで詰められた北海道はなんとかリードを許さないようにテイラーとウィリアムズを中心にオフェンスを組み立てる。
ウィリアムズは一歩間違えば横浜の勢いに持っていかれてしまう大事な場面で、高確率で得点を重ねていき4クォーターだけで12得点。
しかし残り5分27秒で同点、残り4分46秒で逆転と北海道はついに横浜にリードを許してしまう。
記者会見でウィリアムズは「流れを戻す意識でコートに立った」と話したが、流れは終始横浜のまま試合はノータイムに向かっていく。
残り11秒、80-77と横浜が3点リードで迎えた北海道のオフェンス。
テイラーとのピックアンドポップからノーマークでパスを受けたウィリアムズの3ポイントショットは見事にリングに吸い込まれた。
「キャリアの中で培ってきたものを全て出して決めるべきシュートを決めることができたと思います。あわよくばエンドワンも狙っていましたが、それは別の話になりますので決めるということにフォーカスして打ちました。」
同点となり、横浜の最後のオフェンス。横浜は痛恨のターンオーバーで北海道のポゼッションに変わる。
わずか3秒の時間でテイラーがコート端から端まで駆け上がりブザーと同時にショットを放ったがリングに弾かれ、オーバータイムとなった。
レバンガ北海道はこの敗戦を教訓に
4クォーター最後の最後は、ウィリアムズが意識していた北海道に流れが来るような終わり方だった。
オーバータイムの出だしも北海道が5点をリードし、勢いがあるかに見えた。
しかし、横浜はカーターが奮起して12得点を奪う活躍。最後まで北海道にカーターを止める術はなかった。
残り1分51秒に再逆転され、そのまま横浜を捕らえることができずに北海道は94-90の敗戦となった。
前述の通り、自分の指示が遅れたことが敗因という意味合いの発言をしていた宮永ヘッドコーチは、オフェンスリバウンドを多く取られたことへの対策などインサイドへの指示について、
「トラップに行くか行かないかの判断ですとか、指示はしたものの指示のタイミングがベストではなかったです。継続してリバウンドは課題なのでプランニングもありますが、まずは選手全員がリバウンドに対する意識を高めなければいけないと思います。」と語る。
もちろんヘッドコーチの指示も重要だが、選手の遂行力も重要である。
ヘッドコーチの指示が勝敗の全てを決めるわけではない。
事前の準備と遂行力について聞いた。
「元々準備していたものがいくつかあったので、その指示を出したんですけど結果的にそれがフィットした時間帯とフィットしない時間帯というのが大きく出たので、当然選手の遂行力もそうですけど、そのタイミングというのはもっと勉強しなければいけないなと思います。」
宮永ヘッドコーチは敗戦の責任は自分にあると言わんばかりの発言が目立った。
今シーズン、ヘッドコーチとして初めて指揮をとるB1では数少ないヘッドコーチの1人である。
試合を点で考えれば、経験の少なさはもちろん言い訳にはできないだろう。
しかし、その分経験を積むことによる成長は期待できる。
最大20点差を逆転されたこの試合は、宮永HCにとっては生涯忘れらない一戦になるかもしれない。
選手にしろ、スタッフにしろ、ファンにしろ大逆転負けは誰もが悔しい。
この悔しい経験を結果に変えていかなければならない。