こんにちは、ExtraPassの宮本です。
今回から、「僕がオススメしたいあの選手」と題して、その名の通り、ただ宮本がオススメしたい選手をピックアップしたコラムを書いていきたい。
B1、B2で36チームあり、各チーム12、3人が所属していると考えると、450人ほどのBリーガーがいる。1月から始まるB3を合わせれば、その数はもっと増えることになる。
やはり全ての選手を覚えることは難しく、自身の応援しているクラブが所属するリーグや地区の選手はなんとなくわかる。くらいの方が多いのではないだろうか。
色んな選手の特徴を知れば、よりバスケットボールが面白くなると思い、また、取材などをさせてもらっても全てのコメントを使えないこともあるため、今回このコラムを始めることにした。
選手の意外な一面なども含めて、知ってもられば嬉しい。
記念すべき第1回目は今シーズン途中から山形ワイヴァンズに加入した川邉亮平選手だ。
まずは簡単な紹介からしていきたい。
川邉亮平
川邉亮平 188cm 90kg ポジション スモールフォワード
登録はスモールフォワードだが、ポイントガードからパワーフォワードまでをこなせるユーティリティプレイヤー。
富山県出身で高岡工芸高校から白鴎大学に進学し、2017年2月にB1のレバンガ北海道と契約。20-21シーズン途中からB2の山形ワイヴァンズに所属している。
バスケIQが高く、サイズはないが、身体の当て方や、リバウンドに入るタイミング、ポジショニングのよさでインサイドでの仕事もでき、ボールをもてば、ハンドラーとしてもプレーが可能な選手だ。
1番の注目ポイントはオフボール(ボールを持ってない場面)でも他の選手のためにスペースを作りだす動きやスクリーン、カッティングのタイミングなどに長けているため、チームのバスケットボールを陰で支え、彼がコートにいるとスムーズな流れを作りだせる貴重な存在と言える。
また、外国籍選手にもマッチアップでき、サイズの大きい日本人ガードにもマッチアップができるのは非常に魅力であり、ディフェンスでも、そのポジショニングの良さから、いいタイミングでヘルプに入ることで、チームを助けてくれる存在だ。
B2には、このサイズで器用な選手が決して多くはないので、今後、活躍が期待される選手の1人であることは間違いない。
11/21現在、平均19分17秒のプレイタイム、平均4.6ポイントと得点はそんなに高くないが、フィールドゴールパーセンテージは57.1ポイントと高い数字を叩き出している。
B1とB2は所属するチームのスタイルやスピード感も違いがあるため、今後フィットしてくれば、得点などの数字も自ずと伸びてくると感じる。
しかし、彼の魅力は前述した通り「スタッツに残らない」部分であり、彼がいることで周りの選手に与えるいい影響は計り知れない。
実際、山形に加入してから、すぐに試合に出場し、直近の3試合は主力選手の怪我などもあり、スタメンで出場し、全ての試合を勝利している。
そんな川邉亮平選手に11/21に大田区総合体育館で行われたアースフレンズ東京Zの試合後に少し、話を聞いた。
やっと他の選手と同じラインに立った
ー 主力選手の怪我などもあり、プレイタイム伸びてきたが、プレー自体も非常にフィットしてきたように思う。感触はどうか? ー
ライコビッチHCが求めバスケットボールがわかってきて、チームのルールも理解が深まった。そういう意味では、やっと他の選手と同じラインに立ったと思う。
ー 山形はハンドラータイプの選手を2人起用することが多い。その中でスペースを作って、カッティングやオフボールスクリーン、またプレーメイカースポットなどでの動きでいい流れを作っていた。その辺はライコビッチHCの指示なのか? ー
特に言われているわけではないが、いいスペースを作って、自分が起点となってカットしたり、ハイポストに動いたりというのは、普段の練習から求められていることなので、それを今日しっかり遂行できて、合わせのプレーもできたし、周りもシュートが決まっていたので、よかったと思う。
ー オープンなショットも決めることができてた。これからもっと良くなっていく期待を感じた ー
外国籍も変わったし、しっかりコミュニケーションをとっていけば、もっとよくなっていけると思う。がんばります。
と終始落ち着いた表情で答えてくれた。
山形に加入時よりも、少し身体がシャープになりつつ、筋肉量が増えた印象を受けた。ベンチでも、他の選手と積極的にコミュニケーションをとり、チームにも馴染んでいる姿が印象的だった。
KAWABE is wonderful
山形のヘッドコーチであるライコビッチにも、川邉亮平の印象を聞いてみると、言葉の節々からその期待を感じた。
川邉は他の若い選手達に比べて経験を持っている。北海道というクラブで非常にいいシステムのもとでプレーをしてきた。彼に対する期待は非常に高い。
ただ、数ヶ月プレーしていなかったり、プレシーズンのタイミングで加入していなかった。でも、1発目の試合から起用してきた。まだゲームの感覚は掴めてないと思うが、一生懸命プレーしてくれるし、毎日、若手の選手と共に努力し、練習してくれている。
何より、ライコビッチHCが私の質問に対し、最初の言葉は
「KAWABE is wonderful」
であった。
そこから、話を進めたことは、彼が素晴らしい選手であるとともに、彼ならばもっとできるという期待も含まれていたと受け取った。
繰り返しになるが、山形は怪我人が多く出ている。それでも、現在3連勝中と、強豪がひしめくB2の東地区で順位を上げそうな勢いを見せている。
そこに川邉亮平の影響は間違いなくあるだろうし、B1での経験値は怪我で離脱してしまった柳川と合わせてチームにより良い影響を作り出すことは間違いない。(柳川と川邉は白鴎大学の先輩と後輩)
バスケットボールは得点がたくさん入るスポーツだからこそ、ボールがあるところに注目が集まる。しかし、ボールがないところでも様々な攻防や駆け引きが繰り広げられている。
そんなところに目を向けるのも、楽しいと感じさせてくれる選手の1人が川邉亮平だ。
ぜひ、そんなシーンも気にかけてみつつ、山形の起爆剤の1人になるであろう川邉亮平の活躍にも注目してもらいたい。