宮本將廣のExtraColumn001「あなたのバスケ人生に余計なパスを」

宮本將廣のExtraColumn001「あなたのバスケ人生に余計なパスを」

エクストラパス(EXTRAPASS)

エクストラパス(EXTRAPASS)
これはバスケットボール用語だ。

直訳すると「余計なパス」という意味になる。

この言葉を聞くと、バスケが好きな方の中にはNBAのサンアントニオ・スパーズを思い出す人も多いと思う。

バスケットボールは確率のスポーツと言われる。
シュートを打つ時もセレクションが大切にされる。

より確率を高くするために、より良いシュートを選択することがバスケットボールには大切だ。そのために、エクストラパス(余計なパス)が非常に大切になる。

そう。こんな余計に見えるパスの意味や価値が理解できるとバスケットボールがもっと面白くなる。僕はそう信じて、ここまでバスケットボールの発信を続けてきた。

ルカ・パヴィチェヴィッチの言葉

以前、ゴールドスタンダードラボ(http://goldstandardlabo.com) にてこの記事を読んだ。

『良きコーチ、良きトレーナーを見つけなさい。一人で何かを成し遂げる事は難しいからだ。信頼できる専門家と共に仕事をしなさい』

アルバルク東京をBリーグ17-18シーズン、18-19シーズンを連覇に導いたヘッドコーチのルカ・パヴィチェヴィッチの記事だ。

当時、これを読んだ時、僕は「なるほど…」それくらいの感覚で読んでいた。

ここまでのバスケットボール人生は挫折の連続であった。
選手としてもそこまでではなく、コーチとしても大きな成功にたどり着くことはなかった。
その理由が、その多くを1人で抱え込んでいたからだ。

そんな中、北海道出身の僕は18-19シーズンから地元であるレバンガ北海道についての連載を自身の運営サイトである87Basketball Lab(http://87basketball-lab.com)に綴っていった。

バスケを学ぶこと、バスケから学ぶことを綴ったこのサイトは時に多くの反響を得た時もあった。

そんな時にエクストラパスを始めるズボンさんに出会った。
それが19年2月12日のことだ。

バスケットボールキングが行うイベント「スナック籠球」
レバンガ北海道の折茂武彦選手がゲストとして訪れた回だ。

その後、彼と様々な話をし、レバンガ北海道を通じて、バスケットボールを通じてできる何かを発信していくことを決めた。

そして誕生したのがエクストラパスだ。

「あなたのバスケ人生に余計なパスを」

その出会いは、自分に取っては願っても無い出会いだった。
ここまで1人で全てをやりきってしまい、抱え込んでしまっていた自分に取って、まさに青天の霹靂といってよかった。

僕はよく「共鳴」という言葉を使う。

コートの中の選手のプレーとそれを囲むファン、ブースターの応援が共鳴した時のアリーナは最高だ。

そして、自分が選手でコートに立っていた時も、コーチにとして指揮を取っていた時も、エクストラパスのような、一見余計に見える鮮やかなパスからボールがリングを通過するあの瞬間は最高の瞬間だった。

「名前、何にしましょうか?宮本さん、何か好きなバスケ用語ありますか?」
「うーん、僕はパスが好きなんですよね…エクストラパスとか?」

その瞬間、新しいコンテンツである「エクストラパス」が誕生した。

現代は多くの人が効率化を求め、データを駆使し、最短のルートや失敗のない道を選ぶ。
しかし、本当にそれで僕らは人として多くのことを学び、感情を共有し、共鳴を作ることができるのだろうか。

僕は思う。時にその「余計な何か」が、相手の心の扉を開き、笑顔を作り、人間らしさや満たされるコミュニケーションを作りだす。

余計なもので溢れている人生に、余計なものはきっと1つもないのだ。

僕は今までもそう考えてきた。その中で、うざいと思われることも多々あったと思うが、きっと、これからもそう考えていくと思う。

「同じ想いを持ち、個性が輝き、より力を発揮するチームに」

バスケットボールはチームスポーツだ。
コーチをやっていたからか、いいチームとは何か。そんなことをよく考えた。
その中で、僕が考えたのは「同じ想いを持ち、個性が輝き、より力を発揮するチームだ」

決して、仲良しでなくていい。
でも、同じ想いを持っていたい。
それぞれの個性が輝いてほしい。
そして、集まった時に圧倒的な魅力を放つチームでありたい。

イメージするのは、スラムダンクの湘北高校や解散してしまった国民的アイドルのSMAPだ。

正直、勢いのまま走り出したエクストラパスに僕はそんな可能性を感じている。

レバンガ北海道が好き
レバンガ北海道が強くなってほしい
レバンガ北海道を通じて、北海道やバスケがもっと盛り上がってほしい
北海道を発信したい。

僕は道産子だから、そんな想いを持つのは至極自然なことだ。
しかし、北海道に縁もゆかりもないズボンさんが同じ想いを持つことにある意味の違和感と不思議な共鳴を感じた。

そして、彼は常に僕を輝かせる方法を提示してくれる。
つい先日出会ったとは思えない人と、バスケ、北海道という同じ想いを共有する中で共鳴できる。その可能性を示したいと感じた。

そして、何より、僕とズボンさんは想いは同じでも、その個性は全く違う。

ブースターに一目置かれる彼と戦術を突き詰める僕では存在する場所が全く違う。
しかし、バスケが好き、北海道が好きという想いの元には同じ場所にいる。

お互いがお互いの良さを引き出しあい、お互いがお互いから学びあえるこの出会いは、ここにレバンガ北海道があったからこその出会いだ。

だからこそ、新しい挑戦をすることを決断した。

18-19シーズン、レバンガ北海道は苦しいシーズンを送った。

その中で僕は思う。

北海道はもっとできる
だからこそ僕らもチームとともに前進していくこと
ブースターがバスケを学ぶことで、見えてくる強さが必ずある。見えてくる新しい楽しさが必ずある。

僕はどの発信においても、その信念が真ん中にあり、なにより自分自身もより良いバスケを提供するために学び続けたいと考えている。

ここで、ルカの言葉を思い出したい。
『良きコーチ、良きトレーナーを見つけなさい。一人で何かを成し遂げる事は難しいからだ。信頼できる専門家と共に仕事をしなさい』

この出会いは、僕が1人で何かを成し遂げられないことを、失敗や挫折を通じて学んだからこその出会いかもしれない。
この出会いから新しい可能性を見いだせる気がしているし、これからのこのエクストラパスを通じて、同じ想いを持ち、様々な個性を持った魅力ある人たちと出会えるような気がしている。

それぞれが違う個性を持ちながら、同じ想いの元、バスケットボールの新しい可能性を導き出す。

そんなエクストラパスを送り続ける。

きっとまだまだ知らないバスケの楽しさを僕らは見つけていけると思う。
そんなきっかけになる

「余計なパスを」

そして、このコンテンツを通じて
「あなたのバスケ人生に余計なパスを」

宮本將廣

87Basketball Lab

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