9/16に大田区総合体育館でアースフレンズ東京Z VS 福島ファイヤーボンズのプレシーズンマッチが行われた。
結果は77-87で福島が勝利した。
東京Zのポイントガード久岡幸太郎
東京Zはまだまだ課題が多く見えたゲームだった。試合序盤から激しくディフェンスを仕掛ける福島を相手に、戸惑うシーンやターンオーバーが多発。前半は多くの時間を福島が支配したが、その中で、少しプレーに迷いが見えたのが、久岡幸太郎だった。
今シーズンからキャプテンを担い、今シーズンのチームの顔にもなっていく存在でもある。
東京Zのスタメンはそんな久岡と岡田、高木、坂井、エグー。久岡はまずはゲームをコントロールしようとする印象を受けた。岡田の3Pなどを演出したが、久岡の特徴でもある攻撃的なアタックが影を潜めていたように感じる。それはもちろん新加入選手や自分よりも若手選手がいる中で、リーダーとしての久岡の信念のようなものも感じた。今年から背負う背番号14も久岡のプレーに何かしらの変化を生み出しているのかもしれない。
しかし、経験で上回る福島の村上はそれを見逃さなかった。激しいディフェンスで久岡にプレッシャーをかける。1Qはそこから一気に福島が流れを作り出した。
流れが少し変わったのは2Qの5分9秒の久岡のアタックからだ。彼らしいボールミートから鮮やかにディフェンスを切り裂き、ノーマークでレイアップを沈めた。3Qには3Pも沈め、リズムを掴んできたように感じた。
東頭HCも会見で久岡について、「生え抜きであり、これからチームの顔になっていく選手」と言及し、その期待を伺わせた。また、「久岡は新加入のベテラン選手の引き出しの多さに、多くのことを学び、バスケットボールを楽しんでいる」と東頭HCが続けた。
やはり、バスケットボールにおいてPGとは特別なボジションである。アースフレンズ東京ZのPGは久岡幸太郎。きっと彼の進化とともに、必ずこのチームの景色は変わっていくことを感じた時間だった。
福島をさらに福島らしくさせる2人
この試合目立ったのは、福島の完成度の高さだ。それにはやはり今シーズン福島に復帰を果たした菅野翔太と友利健哉、2人の存在が欠かせない。
1Qの最初のプレーも菅野がスクリーンスクリナーから見事な3Pを沈めた。友利もベンチから登場し、ゲームをコントロールしながら、要所でアシスト、3Pを沈めるなど、派手さはないが、しっかりとベテランとしての役割を果たした。
この2人が加わることで、福島はクラブとしての完成度を確実に高めたように感じる。
森山HCも2選手が加入したことに、「B1の経験を持った菅野が復帰したことで、他の日本人選手にもいい影響が生まれている」と語った。友利に関しても、福島におけるベテランの価値。昨シーズン、福島がスリーポイントを決めきれなかったり、10点差以内での敗戦が多かったことも、彼らの加入でプラス方向に動いていくと期待を寄せた。
また、ベンチの盛り上がりも印象的だった。
状態のいい悪いはベンチを見るとわかることがある。この日の福島のプレーやジャッジに対するベンチのリアクションの速さは、ここまでチームがいい準備をできていることを物語っていると感じた。
古巣を相手に復帰を果たした輪島射矢
この試合、アリーナが 1番大きな拍手に包まれた瞬間の1つが、東京Zの輪島射矢がコートに戻ってきた瞬間だった。昨シーズンは開幕前の大怪我で、プレータイムは0。それでも、昨シーズンはチーム最年長としてチームを陰で支え続けた。
Bリーグの初年度は福島に在籍しており、福島から駆けつけたブースターにとっても特別な瞬間になったのではないだろうか。
昨シーズン終了後、エクストラパスのPodcastにも出演いただいた。
そこで、語られたクラブやブースターへの愛や感謝。自身初の3シーズン目の契約と無関係ではないと感じた。
この試合、シュートチャンスは訪れなかったが、ディフェンスでも得意のテイクチャージ(惜しくもディフェンスファウルになる)を狙うなど、これからの活躍は多くのブースターが心待ちにしているだろう。
何より、タイムアウト時などは、東京Zのベンチからは彼が1番に駆けつけ、ゲーム中も声を切らすことはない。同郷である東頭HCともベンチで意見交換をする姿からも信頼関係の強さが窺えた。
輪島はスポットアップシューターのため、多くのプレータイムがあるわけではないと思うが、彼がベンチにいることで、いい影響をチームに与え続けるだろう。
ゲームは4Q終盤に東京Zが岡田の3Pなどで盛り返し、一時4点差まで迫った。しかし、福島は慌てることなくゲームをクロージングさせた。
それぞれのカラーで進化を続ける2チームに、バスケットボールを見る喜びを感じた。何より、今年のオフシーズンはB2の大型補強にわいた。間違いなく今年のB2は今まで以上に面白い。
今から開幕が楽しみでたまらない。
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